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地域後見推進プロジェクト

共同研究
東京大学教育学研究科生涯学習論研究室+地域後見推進センター

4.自治体受託事業(市民後見人養成研修等)

1.自治体における市民後見推進施策の必要性

 全国で認知症(および軽度認知障害)の高齢者がおよそ800万人と言われるなか、今後ますます増えていくと見込まれる後見の需要増に対応するために、市民後見人の一層の活用が求められています。
 このような状況の中、市町村は法律上、後見等の業務を適正に行うことができる人材の育成・活用を図るために、①研修の実施、②後見等の業務を適正に行うことができる者の家庭裁判所への推薦、③その他必要な措置、を講ずるよう努めることとされています。また、後見制度利用促進法およびその基本計画において、市町村主導で中核機関および地域連携ネットワークを設立・運営することが求められています。
 しかし、本施策に熱心に取り組んでいる自治体は、全国でいまだ少数にとどまっています。
 その背景には、各自治体において、①財源や人員の余裕がない、②ノウハウがない、などの要因があるものと考えられます。

2. 当プロジェクトの自治体受託事業の内容

 上記を踏まえ、当プロジェクトでは、後見関連施策に取り組む自治体を支援するために、自治体からの受託事業を実施しています。
 自治体からのご希望に基づき、市民後見人養成研修やフォローアップ研修等の開催、および後見実施機関や中核機関の設置・運営などの支援を行います。

 本受託事業においては、3つのパターン(Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型)をご用意しています。この3パターンの中から、各自治体の必要に応じていずれかをご選択いただきます。(3パターン以外でも、可能な限り各自治体のご希望に対応させていただきます。)
 そしてこの3つの各パターンは、それぞれ3つの基本事業(A・B・C)、および2つの追加事業(D・E)の組み合わせによって構成されています。

 

 

 上記のうち、基本事業(3タイプ)と追加事業(2タイプ)の具体的内容については、以下の通りです。

(1) 基本事業(A・B・Cの3タイプ) 
事業A: 事前セミナー(説明会)の開催

 市民後見人養成研修を開催する前に、住民向けに、後見制度について知ってもらうためのセミナーや養成研修に関する説明会を実施します。同時に、養成研修の受講生の募集も行います。

事業B: 市民後見人養成研修の開催

 事業Bは、ご希望により、事業B1または事業B2のうち、どちらか1つを選択していただきます。

事業B1: 自治体主催による市民後見人養成研修の開催

 自治体主催による市民後見人養成研修を当プロジェクトが開催・運営いたします。当該自治体独自の研修カリキュラムの編成、講師の手配、研修当日の運営など、研修の開催に必要な実務を当プロジェクトが行います。

事業B2: 研修受講生の市民後見人養成講座への受け入れ

 自治体主催の市民後見人養成研修を開催しますが、自治体独自の研修は実施せず、研修受講生に、当プロジェクトが毎年実施している市民後見人養成講座を受講していただきます。受講生が当プロジェクトの講座を修了することをもって、自治体の研修を修了したとみなすことになります。(基本的に当講座の受講料だけで済むので、コストを抑えることができます。)

事業C: 後見実施機関や中核機関等の設置の検討・助言

 市民後見人養成研修の修了生が後見業務に携わったり、その後見活動を支援したりする機関である「後見実施機関」の設置について検討し、その設立を支援します。一般に、市町村社協(またはNPO法人等)が後見実施機関を担う例が多くみられますが、設立において必要とされる場合、社協やNPO法人等との調整なども行います。
 また、後見制度利用促進法およびその基本計画において、市町村主導で設立・運営することが求められている「中核機関」および「地域連携ネットワーク」について、その検討および設立に係る支援を必要に応じて行います。

 以上の3つの基本事業(A・B・C)の組み合わせによって、受託事業の3つのパターン(Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型)が構成されています。
 Ⅰ型はAとBとCの組み合わせ、Ⅱ型はAとBの組み合わせ、Ⅲ型はBとCの組み合わせです。
 さらに各自治体のご希望により、上記に追加事業を加えることもできます。

(2) 追加事業(D・Eの2タイプ)
事業D: フォローアップ研修の開催

 市民後見人養成研修の修了生に対して、フォローアップ研修を開催します。フォローアップ研修は、通常、研修終了後の翌年以降、定期的に(例えば1年に1回)、通常1日の日程で、より発展的・実務的な内容(研修後の法律や制度の改正、後見の実務等に関する最新事情など)の研修を行います。

事業E: 後見受任事案等の検討・助言

 市町村において、成年後見などの権利擁護支援が必要と考えられるケース状況を把握して、その解決策などについて検討し、後見制度の利用が必要と判断された場合は、受任のための調整を行うとともに、市民後見人の活動が円滑に進むための検討・助言を行います。
 また、市民後見人が個人受任を行う際の課題や支援体制などに関する検討・助言も行います。想定されるケースとしては、社協等の後見実施機関による法人後見の事案を市民後見人が個人受任によって引き継ぐ(同時に後見実施機関が後見監督人になる)ケースなどが考えられます。

 DとEの2つの追加事業は、2つとも追加することもできますし、どちらか1つだけを追加することもできますし、またどちらも追加しないこともできます。

※上記の3つの受託事業パターン以外でも、可能な限り各自治体のご希望に対応させていただきますので、何なりとご要望ください。

3. 自治体受託事業の実績

 当プロジェクトでは、これまでにさまざまな自治体の受託事業を多数実施してきました。
 なかでも代表的なものとして、北海道の市民後見人養成等推進事業を挙げることができます。
 当事業の概要については以下の通りです。

 北海道では、地域における権利擁護体制の充実を図るため、北海道庁と道内の市町村との共催によるかたちで、市民後見人養成研修等を行う事業を平成24年度から26年度の3年間実施しました。

 具体的な事業の内容としては、3年間で北海道内1,200人の市民後見人を養成することを目標に研修を開催し、また市民後見人の活動支援や事業の普及啓発などを行う実施機関の設置・運営に関する検討や助言などを行うアドバイザー事業などを実施しました。
 その結果、北海道内94市町村で、市民後見人を計1,292人養成することができ、また26市町村で後見実施機関を設置または具体的な検討を進めることができました。

※北海道市民後見人養成等推進事業の関連資料

 ・事業実施要項

 ・事業実施団体

 ・研修カリキュラムの例

4. 本受託事業に関するお問合せ

 本受託事業に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームか、またはメール、FAX等にてお願いいたします。

 ・お問合せ先
  E-mail: project@kouken-pj.org
  Tel: 03-5841-0622
  Fax: 03-5841-0811