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地域後見推進プロジェクト

共同研究
東京大学教育学研究科生涯学習論研究室+地域後見推進センター

6-2.任意後見契約

1. 任意後見契約とは

 任意後見契約とは、「自分の判断能力がまだ十分あるうちに、将来、認知症などで自分の判断能力が低下した場合に備えて、自分の生活や財産の管理に関する事務を行ってもらうように、あらかじめ信頼できる人に依頼しておく契約」のことを言います。

 より厳密に言うと、任意後見契約とは「委任者(自分)が、受任者(信頼できる人)に対し、精神上の障がいにより判断能力が不十分な状況における自己の生活、療養看護および財産の管理に関する事務を委託する委任契約」のことです

 任意後見制度では、委任者と受任者が必ずこの任意後見契約を結ぶことになっています。

2. 契約の締結者(本人と任意後見受任者)

 任意後見契約における委任者とは、将来、自分の判断能力が低下したときに後見の事務を行ってもらうように受任者に依頼する人のことです。
 委任者は契約締結後、本人と呼ばれます。

 また受任者とは、委任者からの依頼を受けて、任意後見が開始された後に任意後見人として後見の事務を行う人のことです。
 受任者は、任意後見契約を結んでから任意後見が開始されるまでは任意後見受任者と呼ばれ、任意後見が開始された後は任意後見人と呼ばれます。

  任意後見開始前 任意後見開始後
委任者(自分) 本人 本人
受任者(信頼できる人) 任意後見受任者 任意後見人

3. 委任の内容

 任意後見契約は委任契約の一種です。

 委任の内容は、後見の事務(本人の生活、療養看護および財産の管理に関する事務)です。
 契約により、この事務に関する代理権を任意後見人に付与することができます。
 委任事項としては、原則として法律行為に限定され、事実行為(本人の世話や介護など)は含まれません。
 また身分行為や一身専属的な行為も代理になじまないため、委任することはできません。

4. 契約の発効条件

 任意後見契約は、契約を結んだ時点では、その効力は生じません。
 本人(委任者)が、精神上の障害により判断能力が不十分になり、申立権者が家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てを行い、家庭裁判所により任意後見監督人選任の審判がなされた時から、契約の効力が生じて、任意後見が開始されます。

5. 契約の方式と登記

 任意後見契約は、公証人に依頼して、公正証書として契約書を作成する必要があります

 契約が締結されると、公証人が東京法務局に対して、任意後見契約締結の登記の嘱託をすることにより、任意後見契約が登記されます。