menu_open menu_close project external arrow_right arrow_up mail course home login sitemap topics about arrow1

地域後見推進プロジェクト

共同研究
東京大学教育学研究科生涯学習論研究室+地域後見推進センター

3-1.後見開始の申立てと費用

 1. 後見開始の審判の申立て

 成年後見は、後見・保佐・補助の開始の審判の申立て(以下、「後見等開始の審判の申立て」といいます)を、申立権者が家庭裁判所に行い、開始の審判がなされることによって開始されます。
 この後見・保佐・補助の3類型のことを法定後見と呼びます。

 申立ては、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行わなければなりません
 また、申立てを取り下げるためには、家庭裁判所の許可が必要となります

 保佐の場合、保佐開始の審判の申立てと同時に、代理権または追加的な同意権を保佐人に付与する審判の申立てを行うことができます
 また補助の場合、補助開始の審判の申立てと同時に、同意権または代理権、あるいはその両方を補助人に付与する審判の申立てを行わなければなりません

2. 後見開始の審判の申立権者

 後見等開始の審判の申立てを行うことができる人(申立権者)は、本人配偶者四親等内の親族、成年後見人、成年後見監督人、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人、市区町村長、検察官です

 このうち任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人は、本人が任意後見契約を締結し、登記されている場合に、申立権者となります。

 また市区町村長は、本人が高齢者または精神・知的障がい者であって、その福祉を図るため特に必要と認められるときに、申立権者となります。

3. 申立てに必要な書類・費用

 申立てをするために必要な書類および費用については、以下の表の通りです。

 なお、申立てにかかる費用(手続費用)は、原則として申立人が負担することになります。ただし、事情により、手続費用の全部または一部を本人に負担させることができます

必要書類および費用 取寄先

申立書類

・後見・保佐・補助開始申立書
・申立事情説明書
・後見人等候補者事情説明書
・本人の財産目録および収支状況報告書
 (ならびにその資料)
・その他(親族関係図、親族の同意書など)

各家庭裁判所・支部の窓口
(ホームページからダウンロードできるほか、郵送で取り寄せることが可能)

戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)

・本人

各自治体の担当窓口

住民票または戸籍の附票

・本人および後見人等候補者

各自治体の担当窓口

登記されていないことの証明書

・本人
(証明事項は、「成年被後見人、被保佐人、被補助人、任意後見契約の本人とする記録がない」の欄にチェックします)

全国の法務局・地方法務局(本局)
(郵送の場合は東京法務局のみ)
診断書(成年後見制度用)、診断書付票、本人情報シート 各家庭裁判所・支部の窓口(ホームページからダウンロードか郵送)

費用 (申立書類と一緒に納めます)

・収入印紙
 ①申立費用: 800円
 ②登記費用: 2,600円
(保佐や補助において、代理権や同意権の付与の申立ても同時にする場合は、それぞれ800円を追加)

・郵便切手(各家庭裁判所によって費用は異なります)
 3,000~5,000円程度
・鑑定費用(鑑定が行われる場合のみ)
 5~10万円程度

郵便局等

4. 申立ての準備(診断書や申立書の作成)

  後見等開始の審判の申立てをする前に、本人の精神状態について医師の診断を受け、診断書を作成してもらいます。
 診断する医師は、精神科医である必要はなく、歯科医以外ならどの診療科の医師でもかまいません。
 診断書は成年後見用の様式の診断書を用います。
 この診断書は、各家庭裁判所の窓口やホームページで入手できます。例えば、本人が東京在住なら、東京家庭裁判所の後見センター(または後見サイト)で入手できます。

  また上の表で示した必要書類(戸籍謄本や住民票など)を集めます。
 同時に、申立書(後見・保佐・補助開始申立書など)を作成します。この申立書も、各家庭裁判所の窓口やホームページで入手できます。

 これらの準備は、基本的には申立人が行うことになります。