トピックス.
修了生代表スピーチ(令和6年度市民後見人養成講座 修了証書授与式)
修了生代表スピーチ
木暮 正行 様
第17期修了生、木暮正行です。
まずは、長期間にわたりこの講座の運営にあたられた地域後見推進プロジェクトの皆様方に感謝し、お礼を申し上げたいと思います。
私は、一昨年定年退職しました。定年後は悠々自適に暮らしていくつもりでした。ところが、ある人たちとの出会いがきっかけで、地元群馬で法人後見を受任している社団法人の門を叩くことになりました。
後見のことはあまりよく知らなかったのですが、調べれば調べるほどその大変さが分かりました。一度始めたら途中で投げ出す訳にはいかない、人の人生に深く関わっていくことになるし、これは相当な覚悟が必要だ、そう思ったのを今でも覚えています。
これから残りの人生を懸けてやっていくなら、慌てることはない、じっくり時間をかけてでも、その背景にあるもの、周辺にあるもの、すべて含めて、まずはよく知ろう、そう思いこの講座を受講しました。
私はオンラインでの受講でしたが、地方に住む者にとってオンラインで参加できることはとても助かります。オンラインでも講師の方々の熱い思いが画面を通して伝わってきました。
講義では、後見制度の基礎知識から、後見人としての姿勢、実践にあたって考えるべきことなど、大変多くの学びがありました。内容もとても多岐にわたり、初めて耳にする言葉もたくさんありました。新鮮でもあり、ついていくのが精一杯でもありました。
具体的な事例やエピソードもたくさんありました。
「人は誰かのために何かをするとき、喜びや幸せを感じる」と言います。岐阜のマスクの恩返しの話では、あのおばあちゃん達はマスクを作りながら喜びを感じていたのだろうなとか、兄を頼って南富良野に来たあの人は、その「誰か」を見つけることができて嬉しかったのだろうなとか、学んだことを理解し覚えるよりも、何かを感じ、思い、そして考える時間のほうが長かったような気がします。
グループワークでは、ブレイクアウトルームで他の受講生の方々にお会いすることができました。オンラインでは、画面の上の方に出席者の名前が表示されるのですが、翌日からは講義が始まる前に、その時に話をした人の名前を見つけては、「よし、自分も頑張ろう!」そんな気持ちになりました。今日この後の交流会でお会いできたら、色々話をしたいと思います。
そのグループワークでも話をしたのですが、私が昨年取得したFP(ファイナンシャル・プランナー)は、その知識分野が金融・保険だけでなく、年金や社会保険、税、不動産、相続にまで及びます。FPの知識は、後見の財産管理に役立ち、課題の発見やその解決に道筋を示してくれる。私はそう考えます。
実は、その資格試験の対策講座を受けた時の講師が、冒頭にお話した「ある人たち」であり、社団法人の方々でした。ひとりは本講座の修了生でもあります。
先日、FPの実務研修があったのですが、そこの講師や研修生も成年後見に関心を示していました。今後、この講座を受講するFPが増えていくかもしれません。
最後に、お世話になった講師の方々にお礼を申し上げます。
お忙しい中、大変ありがとうございました。
修了生代表スピーチ
渡邉 剛史 様
皆様、講座修了、お疲れ様でした。私は渡邉剛史と申します。
本日は、修了生代表として、この場に立たせていただき、大変光栄に思います。
まず初めに、この貴重な学びの機会を提供してくださった事務局の皆さま、熱心にご指導くださった講師の先生方、そして共に学び合った受講生の皆さまに、心から感謝申し上げます。皆さんと過ごした時間は、これから市民後見人として歩んでいく私にとって、大きな財産となりました。本当にありがとうございます。
さて、私は「市民後見人として歩んでいく」と申しました。その思いをより詳しくお話する前に、まずは私の話をさせてください。
私は、埼玉で生まれ育ち、平凡だけど幸せな日々を送っていました。しかし、高校3年、1989年にがんで母を亡くし、大きな悲しみと挫折を味わいました。母に対して何らできなかった無力な自分に直面したからです。このままではだめだ、と思いながらも立ち直るのに長い時間を要し、大きく道を見失いました。入学していた大学には一切通わず、地元の友人や、バイトの友達と、徹夜マージャンやカラオケに明け暮れる毎日。
しかし、家族やのちに妻となるパートナーとの出会い、励ましと支えのおかげで再び立ち上がり、大学を9年かけて卒業しました。なお、いまだに大学を9年間在籍した方にお会いしたことはありません。もしこの中にいたら、とても貴重な出会いだと思うので後でお声掛けください。写真を一緒に撮りましょう。
そのモラトリアムと挫折の9年間で、私はふたつの人生哲学を自分に打ち立てました。ひとつは「やりたいことをやる。人は必ず死ぬから」2つ目は「人はやり直せる」です。
その後、私は、介護保険が始まると聞き、母に何もできなかった自分を変えるため、2002年より介護の現場に飛び込みました。2022年からはケアマネジャーとして働き、この3月で4年目を迎えます。
介護現場で20年以上働き、利用者の課題として直面してきた問題が認知症の方々の「法的な支援の必要性」でした。しかし、それを支えるために介護保険と同時に立ち上がった成年後見制度の利用が進んでいない実態を現場で知りました。
私はこの実態にとてつもない日本社会の危機のようなものを感じました。
認知症患者で、身寄りのない方や、家族が遠方に住んでいて支援が難しいなどのケースが今後も増えていく状況は、この講座の内容でもデータとして触れられていたとおりです。
しかも、私が住み、仕事もするさいたま市では、介護現場の危機を予兆するような事が始まりつつあります。そのひとつがケアマネジャーの人手不足で、包括支援センターが担当するケアマネを探そうと依頼をかけても、地域のケアマネの担当件数が各事業所ともいっぱいで探すのが大変になっている、と聞きます。
ましてや、介護保険ほど活用がすすんでいない後見制度がこのままの状況では、介護や法律の支援を受けたくても受けられない方たちが増加し、社会問題化するのは明らかだと思います。
私はこの問題を1人で解決することなどできないのですが、何か自分にできることはないかと考えました。
それが、ケアマネジャー兼市民後見人として活動し社会問題に貢献すること。
そのために必要なことは3つあると考えました。
1つは、ケアマネジャーの経験を後見人の活動として活かすことです。
2つめは、法的知識です。9年かけて卒業した大学…実は法学部です。卒業を頑張った記念に受験した行政書士試験。1999年に受験し、1度目の試験で合格できました。
合格をしたけどそんなに興味のなかった法律ですが、知識があるとないとでは大きく違ってくることを介護のキャリアの中でも経験してきました。介護保険法はもちろん、医事法、生活保護法、障害者福祉法、行政の通達、、その他挙げればきりがないほど介護保険法以外の法知識が必要になります。
3つめは、今回の市民後見人養成講座で学んだ事、です。地域後見推進プログラムが主催する、 この講座の内容や、修了生の方々が実際に市民後見人として活動していることを知り、是非とも 受講したい!そう思い 今回 受講が実現し、期待通り、いや、期待以上の内容で本当に充実した時間を過ごすことができました。
私は、この介護現場で培ってきた経験、今まで学んできた法知識、市民後見人養成講座で学んだこと、を活かし、市民後見人としての活動をしていくつもりです。
まずは3年間程度、副業にて市民後見人としての活動をします。そして2027年、主任ケアマネジャーの資格を取得し、2028年くらいに独立します。ケアマネジャーと市民後見人としての経験を活かし、行政書士の資格も活用しつつ、活動をしてまいります。
その活動がどうなっていくかは、私自身もまだ道の途中で、模索しながら形作っていくものと考えております。そのためには、これからも挑戦を続け、知識を深め、よりよい支援ができるよう活動していく必要があります。
その活動を通して、これからも皆さんと共に成長し、支え合っていけることを願っています。
改めて、このような学びの機会をいただけたことを、お礼申し上げます。
最後に、このスピーチを、おととし亡くなった父に捧げます。母の時には何もできなかった私ですが、少しは何かできたでしょうか。
やりたいことをやる。
人はやり直せる。
ご清聴ありがとうございました。
修了生代表メッセージ
渡邊 節子 様
修了生代表としてメッセージをというお声がけを頂きましたが、仕事で出席することが叶わず、本当に残念でなりません。
本講座を通しまして学ぶことの心震えるほどの感動と、これまでの私の仕事を振り返りながら、これでよかったのだという安堵感と、そして、これから先の未来へつながっていくことを感じさせて頂いた4か月間。講師の先生方、地域後見推進プロジェクトの皆様に心より感謝申し上げます。
私は20年間、地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)地域包括支援センター、成年後見利用促進センターで仕事をしてまいりました。本講座に申し込みをした理由は、これまで、権利を擁護するという事とはどういうことなのか、本人の人権を守ることを常に考えながら仕事をしてきました。そのことについて、もう一度自分自身の生き方も踏まえて学び、考えてみたいと思いました。
私の人権や権利擁護への思いは、幼少の頃まで遡ります。
昭和30年代の後半だと思いますが、「精神病者監護法」「精神病院法」は廃止されましたが、精神障がいの方の私宅監置はまだ残っておりました。
子供ながらに、なぜこの方は牢屋のようなところに閉じ込められているのかと、辛く悲しい気持ちがその光景とともに、今も記憶にはっきりと残っております。
あれから60年。禁治産制度から、自己決定の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーションの3つの基本理念の成年後見制度へ。
そして、本人の意思決定を尊重する市民後見人へ。この講座でたくさんの学びがありました。そして学んだことを、身近な社会の中で支えあって、後見文化を広げていくことであるという事が、私も未来に希望を持てる思いになりました。
仕事で成年後見の申立て支援を行いましたが、親子の関係が悪く疎遠になっていた方に後見人が選任されたことで、連絡が取れるようになり、親子関係の修復ができた方が何人かいらっしゃいました。後見人はそんな疎遠になったご本人や、ご家族や地域を、もう一度つながりの再構築をもしていける立場であると再認識致しました。
又、本人の意思を最も反映できる任意後見がより身近なものになるためには、市民後見人の活動を通して、新しい仕組みができるのではないかとも考えました。
牧野先生の講座の中にありました
「恩送り」
私も本講座で学んだことを地域へ「恩送り」をしていきたいと思っております。
この講座では、参加されている方々との出会いも素晴らしいものでした。
楽しく充実した学びの4か月間を本当にありがとうございました。
令和7年3月15日(土)
令和6年度市民後見人養成講座
修了証書授与式