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地域後見推進プロジェクト

共同研究
東京大学教育学研究科生涯学習論研究室+地域後見推進センター

トピックス.

修了生代表スピーチ(令和3年度市民後見人養成講座 修了証書授与式)

 修了生代表スピーチ
 飯田 麻里子 様

 

令和3年度市民後見人養成講座 修了によせて

 昨年10月からの6ヵ月間、忙しくも充実した日々でした。どの講義もすばらしく、市民後見の役割受講や理念とその実践とが結びついて、自分の中にイメージが豊かに息づいたことが、仕事をする上でも自信になっております。講師の先生方、地域後見推進プロジェクトの皆さまに感謝いたします。
 私は精神科領域で看護師をしています。近年は長期入院の方の退院支援やその後の地域生活を支える仕事に携わっています。その際、日常の金銭管理を細やかにサポートする仕組みがなくて、もどかしい思いをしたことが受講の動機です。
 録画配信受講でレポートの締め切りに追われながら、ギリギリで提出していたので、こんな私が修了生の代表の一人?と気恥ずかしいのですが、いくつになっても学んで新しい世界が広がることは嬉しく、素直な喜びをお伝えしたいと思います。

 1月になって課題に取り組み始め、これは隙間時間で簡単に出来るものではないと気づき、間に合うのだろうかと正直慌てました。ただ、事例を読み込み、申請書類をつくり、支援計画を立てるという課題に取り組む過程で、受講した内容を復習しながら生きた知識になっていく感覚を味わいました。
 選択課題には、退院支援をした担当患者さんの支援を振り返りました。地域で自分らしく暮らし続けてほしくて、仕事としての関わりを終えた後も、ボランティアナースとして、ご家族代わりに関わりを続けています。お好きな歌手のコンサートに付き添い、喜んでもらえることが嬉しく、励みになっています。その活動の中で、精神科の患者さんだから、軽くみられているのではないかと、疑問や憤りを感じることがあり、市民後見や財産管理と身上保護の視点からとらえ直してみました。
 医療や看護の立場から出来ること、そして、市民後見人についていただけたら期待できることと、頭の整理ができました。この市民後見人養成講座を受けたことによって、関わる医療・福祉・行政それぞれの捉え方があるだろうと広い視野が得られたことが大きな財産です。
 以前でしたら憤慨したり苦情を言うところを、今は、ご本人の最善の利益は何だろう?と関係者で話し合えるのではないかと、少し冷静になっている自分がいます。

 さて、家事を棚上げしてレポート作成や試験勉強をしました。見守ってくれた夫、息子に感謝しています。家族のありがたさを感じます。
 家族のように身上保護に関わり、家族以上の責任をもって財産管理に関わると思うと身震いしますが、将来的に市民後見人としてお役に立てるよう、今後も実践的に学びたい思いです。
 録画受講なのでお会いできなかった受講生の皆さま・・・地域で支えあい、人生経験を活かして社会貢献したいという、熱意ある方々と今後交流していきたいと願っています。どこかでお会いできるのを楽しみにしております。

 この機会を与えていただきましてありがとうございました。

 


 修了生代表スピーチ
 藤井 一裁 様

 

令和3年度市民後見人養成講座修了証書授与式におけるスピーチ

 ただいま御紹介いただきました藤井一裁でございます。

  本日は、令和3年度市民後見人養成講座の修了証書授与式に当たり、修了生代表の一人として出席させていただき、またこのような場でお話しする機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 昨年10月の開講以来、充実したカリキュラムの下で講義をいただきました講師の先生方及び受講に当たってのサポートをしていただきました事務局の皆様に、改めまして御礼を申し上げます。

 この市民後見人養成講座については、以前から関心を持ち、機会があれば受講したいと考えておりました。ただ、半年近い期間、毎週末に受講し課題をこなしていくことに自信が持てなかったこともあり、申込みを躊躇していたところでした。今年度は、新型コロナウイルス感染症等の影響により全面的にオンライン講義方式となり、特に特定の時間帯にとらわれずに受講できる録画配信方式も選択できるようになったため、これならばなんとか最後までついて行けるのではないかと考えて受講申込みに至りました。

 受講期間中には、一人で勉強していることもあり、課題やレポートの作成で、これで十分なものとして提出してよいかどうかを悩むことも多くありました。特に後見実務演習や選択課題は、私にとってはかなり難しく、無事受理されるものかどうか、常に心配しながら取り組むことになりました。それだけに、修了の御連絡をいただいた際には、喜びの前に安堵したというのが正直なところです。

 今回の講座では、これまでなじみのなかった分野の知識を得ることもできました。私事にわたりますが、私は8年前に父親を亡くしました。亡くなる直前までは寝たきりながらも意識ははっきりしていましたが、声を出さなくなっていたので、本人の意思を汲み取ることが相当に困難な場面が多くありました。声が出せないというコミュニケーション手段の一つの障害だけでも本人の意思を確定しがたい状況を経験していましたので、最終日の意思決定支援に関する講義では多くの示唆を受けました。後見制度の適用の有無にかかわらず、本人の意思表明や意思決定を支援するための考え方を支援者の側が身に付けていくことが極めて重要であることを改めて認識したところです。

 今後は、今回の受講で得た様々な知識を更に深めながら、地域社会でどのような役割を果たしていくことができるか、引き続き考えていきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

 


 

令和4年3月26日(土)
令和3年度市民後見人養成講座
修了証書授与式