2-3.後見人とは
1. 後見人とは
後見人とは、「法的な支援を行うことを通じて、判断能力が不十分な人の生活を助け、また法的な保護とその権利の擁護を図るために、家庭裁判所から選任された人」のことをいいます。
後見人は、家庭裁判所から付与された権限(代理権や取消権など)を用いて、本人の財産管理や身上保護に関する事務を行います。
具体的に言うと、後見人は、本人の金銭管理を行ったり、本人の施設入所・入退院の手続、介護保険サービスの申請や契約等の手続きなど、様々な諸手続や手配などを本人に代わって行うことで、本人の生活を支援します。
また本人が消費者被害にあった場合は、悪質業者との契約を取り消し、被害を回復することによって、本人を法的に保護します。
さらに、本人の基本的人権や社会的権利が侵害されないように配慮し、法的に保護することによって、本人の権利を擁護します。
2. 後見人の種類
(1) 法定後見人と任意後見人
後見人は大きく分けて、法定後見人と任意後見人の2つに分けることができます。
法定後見人は、「成年後見人」「未成年後見人」「保佐人」「補助人」の4つの種類に分けることができます。
法定後見において、「成年後見人」は「成年被後見人」を支援します。同様に「未成年後見人」は「未成年被後見人」を、「保佐人」は「被保佐人」を、「補助人」は「被補助人」をそれぞれ支援します。
(当ホームページでは、成年後見人、保佐人、補助人を総称して「成年後見人等」と呼びます。)
また一般に「後見人」という名称は、後見を行う人(成年後見人、未成年後見人、保佐人、補助人、任意後見人)をすべてまとめた総称として用いられます。
上記を表にまとめると以下のようになります。
類型 | 後見人 (支援する人) |
本人 (支援される人) |
|
法定後見 | 後見 | 成年後見人 | 成年被後見人 |
未成年後見人 | 未成年被後見人 | ||
保佐 | 保佐人 | 被保佐人 | |
補助 | 補助人 | 被補助人 | |
任意後見 | 任意後見 | 任意後見人 | 本人 |
(2) 社会的属性による分類
一般に、後見人に選任された人の社会的属性によって、後見人を次のように呼びます。
- 親族後見人: 本人の家族や身内などの親族が後見人に選任された場合
- 第三者後見人: 親族以外の第三者が後見人に選任された場合
- 専門職後見人: 専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士など)が後見人に選任された場合
- 市民後見人: 一般の市民が後見人に選任された場合
(3) 複数後見と法人後見
一般に、後見人として複数の人が選任された場合(例えば、1人の本人に、2人以上の後見人がついた場合)、その後見のことを「複数後見」と呼びます。
また、後見人として法人が選任された場合、その後見のことを「法人後見」と呼びます。
条件 | |
複数後見 | 1人の本人に、複数の後見人がつく。 |
法人後見 | 法人が後見人になる。 |